千葉県公安委員会 第44170075号

離婚を考えた時に必要な事

養育費の決め方

養育費は「養育費早見表」を目安に支払方法と期間を決めましょう。

相手の年収や、子供の数、自分が働いているかどうかで、金額は変わってきますので、子供の生活や将来のことも考えて、きちんともらっておきたいものです。

 

◇養育費とは?

養育費とは、子供を育てるのに必要な費用のことをいいます。衣食住に必要な経費や教育費、医療費、最低限度の文化費、娯楽費、交通費など未成熟子が自立するまでにかかるすべての費用が養育費に含まれます。親のためではなく、子供が持っている権利なので、離婚前と変わらない生活が保てるように確保しましょう!

あくまでも養育費は別れた配偶者のために支払うものではなく、子供が持つ権利ですので、親権がどちらにあろうと、両親の資力に応じて支払いをしなくてはなりません。ですから、離婚を決める際に「養育費は要らない」と妻側から提案したとしても、子供が親から扶養を受ける権利は放棄できません。

 

◇養育費は、どうやって決まる?

養育費は、「支払いの期間」「支払い金額」「支払い方法」という3つの要素を軸に、夫婦がふたりで話し合って決めるケースがほとんどです。

金額を決定するにあたっては、「現在、子供を育てているのにかかっている費用」「今後の成長にともなって発生する費用」「夫婦それぞれの財産」「今後の収入や経済状態」などを検討します。

大切なのは、取り決めた内容を書面に残しておくということで、口約束で終わらせないためにも、法的な強制執行力のある「強制執行認諾約款付きの公正証書」にしておくことをおすすめします。

なお、話し合いで決まらないときは、離婚と同じく家庭裁判所の調停を利用して決定することができます。調停でも決まらなければ、裁判に持ち込む覚悟も必要です。

 

◇養育費の相場は、どのくらい?

養育費は、相手の将来の給与まで差し押さえることが可能ですので、少しでも多く、長い間もらえるようにしましょう。

養育費の相場は、収入が異なり、生活水準も変わってくるため、夫婦によってさまざまです。一方に経済力がなければ、他方が全額負担することもありますが、必要経費の算出と夫婦間の分担額の算出をしたうえで養育費を計算するのが良いでしょう。

東京家庭裁判では、養育費早見表を発表しています。年収と子供の人数、年齢によって標準的な養育費の金額が出ていますので、目安にしましょう。

■養育費の目安の一例

・年収500万円のサラリーマンがパート年収100万円の妻に支払う場合(子供1人、0~14歳)…月額4~6万円

・年収800万円のサラリーマンが専業主婦の妻に支払う場合(子供3人、いずれも未成年)…月額16~18万円

 

◇養育費の支払い期間と支払い方法は?

養育費の支払い期間は、基本的には「子供が社会人として自立するまで」とされていますが、それは未成年を意味するものではなく「高校を卒業するまで」「18歳になるまで」「20歳の誕生日まで」「大学卒業まで」など、親の財力や家庭環境のよっても決定の基準は変わります。

養育費を受け取るためには、支払い方法をしっかり決めておくことも大切です。「一括払い OR 月払い」「振り込み OR 手渡し」など、細かいと思うことまで具体的に取り決めておくことでのちのちのトラブルを回避できるでしょう。

 

◇養育費の支払いが滞ったら、どうする?

待っていても相手から支払われないケースでは、慰謝料や財産分与と同様に相手に請求することができます。

具体的な方法には、相手に対して内容証明郵便を使って相手の支払いをうながす方法があります。

それでも支払われない場合は、家庭裁判所に養育費の支払請求調停・裁判を申し立てたのち、強制執行力のある調停調書や審判書で決め直します。裁判で家庭裁判所の調停や審判で決められた養育費の支払いを守らない人に対しては、一定の制裁金を支払うように裁判所が履行勧告・履行命令を出して心理的に強制する制度もあります。

養育費は将来の給与まで差し押さえが可能ですので、取り決めた養育費が一度でも支払われなかった場合には、一回の手続きで継続的な収入について将来分も差し押さえができます。差し押さえの上限については、「給料の2分の1」とされています。

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